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結論から言うと、Webエンジニアの将来性は高い。ただし「実務経験を持つエンジニア」に限った話だ。スキル習得の敷居が下がったことで母数は増加しているが、開発現場が求める即戦力人材は慢性的に不足している。この記事では現役ITエンジニアの視点から、開発現場の実情とこれからの市場動向を整理する。
Webエンジニアは大きく3つに分類される。ユーザー画面を担うフロントエンド、サーバー側を担うバックエンド、そしてツールを活用してサイト構築を専門とするWeb制作フリーランスだ。
フロントエンドエンジニアの業務は「サイト設計」「UI・UX設計/デザイン」「コーディング/プログラミング」の3フェーズで構成される。
バックエンドエンジニアの業務は「サーバー側の処理設計」と「リリース後の運用保守」に大別される。
WordPressやノーコードツールの普及により、1からコーディングしなくても本格的なECサイト・ホームページを制作できる環境が整った。これを活用した「Web制作専門フリーランス」が増加している。
業務範囲は企画・プロジェクト管理・デザイン/コンテンツ制作・サイト運用保守が中心で、内部コーディングや環境構築を行うケースは少ない。個人事業主やフリーランスとして独立しやすい分野だ。
「Webエンジニアは増えすぎ」という声がある一方で、企業の採用担当者は「欲しい人材が見つからない」と言う。この矛盾の背景には、量と質のミスマッチがある。
>プログラミングスクールの拡大・操作性に優れた開発ツールの普及・ネット上の学習コンテンツの充実により、ITスキルの取得ハードルは大幅に下がった。その結果、Web制作を含む情報通信業の従事者は2000年から2020年の20年間で約100万人以上増加した。
しかし増えたのは「スキルを学習したことがある人」であり、開発現場で即戦力となる実務経験者は依然として不足している。採用の現場ではポートフォリオや実績が重視されるため、学習経験だけでは差別化が難しい状況だ。
Webエンジニアの最大の特徴は「パソコン1台とネット環境があればどこでも仕事できる」点だ。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に普及し、在宅で働けるWebエンジニアへの関心が一気に高まった。
こうした背景から「Webエンジニアになりたい」という人は今後も増え続けると予想される。ただし、スキルの有無より「実際に動くものを作った経験があるか」が採用基準として重視される傾向は変わらない。
3つの観点からWebエンジニアの将来性を整理する。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は加速している。日経クロステックの「デジタル化実態調査2022版」によると、日本企業の約7割が「積極的に推進している」または「少しは推進している」と回答。日本政府もDX認定制度を開始し、国全体でデジタル技術活用を後押ししている。
DX化では既存業務のWebアプリケーション化・書類の電子化・クラウド移行など、あらゆる場面でWebエンジニアの力が必要になる。この流れは今後さらに加速する。
矢野経済研究所の予測によると、2025年度の国内民間IT市場は15兆5300億円規模に達する見込みだ。電子帳簿保存法・インボイス制度の導入、既存システムのクラウド移行需要が市場拡大を後押ししている。
経済産業省の試算によると、2030年には最大80万人のIT人材が不足するとされている。人材の絶対数は増加しているが、実務経験を持つ即戦力エンジニアの不足は慢性的な課題だ。特にセキュリティ分野の知識を持つエンジニアは需要が高く、安定した案件獲得が見込める。
「実務経験を持つエンジニアが不足している」という実態を踏まえると、未経験からWebエンジニアを目指す場合は、学習だけで終わらず実績を作ることが最重要課題となる。
まず主力となる言語を1つ習得することから始める。フロントエンドであればJavaScript/TypeScript、バックエンドであればPython・PHP・Rubyなどが開発現場での需要が高い。1言語をある程度習得すると、構文が似た他言語は比較的早く習得できるようになる。
開発現場では新技術・新しい仕組みへの対応が日常的に求められる。マニュアルがない状況でも自分で調査・検証・解決できる「自走力」は、採用担当者が最も重視するスキルの一つだ。学習段階から「わからないことを自分で調べて解決する習慣」を意識的に作ることが重要だ。
IT業界はトレンドの変化が他業種より圧倒的に速い。未経験者がいきなり最新情報を追うのは難しいため、まず「どのように情報収集するか」という仕組みを学ぶことから始める。Zenn・Qiita・GitHub Trending・公式ドキュメントを定期的にチェックする習慣を身につけることが、長期的なエンジニアとしての成長につながる。
スキルの均質化が進む中で、市場から選ばれ続けるエンジニアになるためには単なる「コードが書ける人」を超える必要がある。以下の3点が差別化のポイントだ。
学習経験者の数は増加しているが、開発現場で即戦力になれる実務経験者は不足している。採用市場でのミスマッチが「増えすぎ」と「人材不足」の両方の声を生んでいる。需要があるのは確かで、実力をつければ仕事に困らない状況は続く。
どちらも需要は高いが、最初の学習コストが低いのはフロントエンドだ。ブラウザで結果がすぐ確認できるため、成果が見えやすく学習継続しやすい。バックエンドはサーバー環境の知識が必要になるが、給与水準や案件単価は高い傾向がある。両方できるフルスタックエンジニアを最終目標にするのが一般的なキャリアパスだ。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」(2019年)に基づく試算だ。DX推進・AI活用・クラウド移行の加速により、IT人材の需要は予測を上回るペースで増加しているため、不足数はさらに拡大する可能性がある。
必須ではないが、独学の挫折率は高い。スクールのメリットはカリキュラムの整理・質問できる環境・学習ペースの管理にある。無料の学習リソースも充実しているため、まず独学で進めてみて、詰まるようならスクールを検討するのが現実的な判断だ。
Web制作フリーランスはWordPressやノーコードツールを使ったサイト構築が中心で、プログラミングの深い知識は必須でないケースも多い。WebエンジニアはWebアプリケーションの設計・開発・保守が主業務でプログラミングスキルが前提。どちらが良いかはキャリア目標による。高い技術力よりスピードと営業力で稼ぎたいならWeb制作フリーランス、専門性を深めてキャリアを積み上げたいならWebエンジニアが向いている。
Webエンジニアの将来性について整理した。
Webエンジニアとして長く活躍するためには、学習で終わらず実際に動くものを作り続けることが重要だ。まず1つの言語と技術スタックに絞り、実績を積み上げていくことから始めよう。

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