



WithCodeMedia-1-pc
WithCodeMedia-2-pc
WithCodeMedia-3-pc
WithCodeMedia-4-pc




WithCodeMedia-1-sp
WithCodeMedia-2-sp
WithCodeMedia-3-sp
WithCodeMedia-4-sp









生徒生成AIを仕事で使ってるんですけど、「学習データに勝手に著作物を使うのは違法だ」とか「AIで作ったものは著作権がない」とか、いろんな話を聞いて混乱してます…。結局、何がセーフで何がアウトなんですか?
ペン博士いい質問だね。実はその疑問にこたえるために、日本の文化庁が『AIと著作権に関する考え方について』という公式の整理を出しているんだ。今日はこの一次情報をベースに、AI開発・学習段階から生成・利用段階まで、何が許されて何が危険なのかを、専門用語をかみくだいて徹底的に解説するよ。
「生成AIに学習させるのは違法じゃないの?」「AIで作ったイラストを商用利用していいの?」「他人の作品に似た画像をAIが出力したら誰が責任を負うの?」——生成AIを業務で使う中小事業者やWeb制作者にとって、著作権の問題はもっとも気になるのに、もっとも答えにくいテーマです。ネット上には不正確な情報も多く、何を信じてよいか分からなくなりがちです。
そこで本記事では、日本の文化庁が令和6年(2024年)3月15日に公表した公式文書「AIと著作権に関する考え方について」を一次情報として読み解きます。この文書は、文化審議会著作権分科会法制度小委員会という国の審議会が、法学研究者・弁護士・裁判官らの議論を経てまとめた、現行著作権法の解釈に関する公式の整理です。本記事はその内容を、生成AIを安全に使うための基礎知識としてかみくだいて解説します。
※本記事は2026年7月1日時点の情報です。また、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言(リーガルアドバイス)ではありません。個別の事案については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。
この記事の結論

まず大前提として、これは文化庁が公表した公式の整理であり、現行著作権法をAIにどう当てはめるかの「考え方」を示したものです。法的拘束力はありませんが、実務上きわめて重要な指針になります。
この文書は、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が令和6年(2024年)3月15日に取りまとめ、文化庁の公式サイトで公表されました。小委員会は、著作権法等の知的財産法に知見を有する法学研究者・弁護士・裁判官等で構成される国の審議会です。令和5年(2023年)7月から検討が始まり、有識者へのヒアリングやパブリックコメント(意見募集)を経て、本体PDFとして公開されました(出典: 国立国会図書館 カレントアウェアネス)。
生成AIの急速な普及にともない、「AIと著作権法の関係がよく分からない」という懸念の声が各方面から上がっていました。本来、著作権法の解釈は個別具体的な事案ごとに司法(裁判所)が判断するものですが、現時点ではAIと著作権を直接扱った判例・裁判例がほとんど存在しません。そこで、判例の蓄積を待たずに懸念を解消するため、審議会が一定の考え方を先に示した、というのが成り立ちです。
ここがとても重要です。「考え方」自体は法的な拘束力を持ちません。あくまで公表時点における小委員会の解釈を示したものであり、特定の生成AIや技術について確定的な法的評価を下すものでもありません。最終的な判断は個別の事案に応じて裁判所が行うため、今後の判例・技術・諸外国の動向によって見直される可能性があります。本記事もこの前提のうえで読んでください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | AIと著作権に関する考え方について |
| 公表主体 | 文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会(文化庁) |
| 公表日 | 令和6年(2024年)3月15日 |
| 法的性質 | 法的拘束力なし(現行法の解釈を示す指針) |
| 関連資料 | 概要版、英語版概要、チェックリスト&ガイダンス(令和6年7月31日) |
あわせて、AI生成物の著作権ガイドライン(2026年版)や公式統計で見る日本の生成AI利用実態も参考になります。

この記事を通じて最初に頭に入れてほしいのが、AIと著作権は2つの段階に分けて考えるという原則です。段階ごとに、行われている利用行為も、適用される条文も異なります。
文化庁の「考え方」は、AIと著作権の問題を「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」の2つに明確に区別しています。さらに、AI生成物が「著作物」に当たるかという論点を、第3の観点として別に扱います。この3つを混同すると議論がかみ合わなくなるため、まず全体地図を押さえましょう。
| 段階 | 行われる行為 | 主に関係する条文 |
|---|---|---|
| ①AI開発・学習段階 | 著作物を学習用データとして収集・複製し、学習用データセットを作成。それを学習してAI(学習済みモデル)を開発 | 著作権法 第30条の4 など |
| ②生成・利用段階 | AIで画像等を生成。生成物をアップロードして公表したり、複製物(イラスト集など)を販売 | 通常の著作権侵害の判断(類似性・依拠性) |
| ③AI生成物の著作物性 | AIが生成したものが「著作物」に当たるか | 著作権法 第2条第1項第1号(著作物の定義) |
以下、この3つの観点を順番に、一次情報にもとづいて深掘りします。「学習はOKか」と「生成・利用はOKか」は別問題である、という点だけは何度も繰り返します。

学習段階のカギは著作権法30条の4です。この条文があるおかげで、日本では一定の条件下でAI学習に著作物を許諾なく使えます。まずは条文そのものを正確に確認します。
AI学習に著作物を使えるかどうかの根拠になるのが、著作権法 第30条の4(e-Gov法令検索)です。平成30年(2018年)の著作権法改正で新設されました。条文は次のとおりです。
第三十条の四
著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を
自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と
認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することが
できる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし
著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための
試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する
言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の
解析を行うことをいう。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による
認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程に
おける利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の
電子計算機における実行を除く。)に供する場合AI学習はこのうち第二号の「情報解析」に該当します。条文が「情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から…解析を行うこと)」と定義しているとおり、大量の著作物を取り込んでパターンを学習させるAI開発は、まさにこの情報解析にあたります。
30条の4を理解するうえで最重要のキーワードが「享受」です。文化庁の考え方【概要】によれば、「享受」とは「著作物の視聴等を通じて、視聴者等の知的・精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為」を指します。かみくだくと、作品を「味わう」ことです。
| 著作物の種類 | 「享受」といえる行為の例 |
|---|---|
| 文章の著作物 | 閲読すること(読んで楽しむ) |
| 音楽の著作物 | 鑑賞すること(聴いて楽しむ) |
| 映画の著作物 | 視聴すること(観て楽しむ) |
| プログラムの著作物 | 実行すること |
著作権者が著作物から得ている経済的利益は、通常こうした「味わう」という効用の対価として支払われます。逆に言えば、味わうことを目的としない利用(非享受目的)なら、著作権者の経済的利益を通常は害しないと考えられます。だからこそ30条の4は、こうした非享受目的の利用について許諾を不要としているのです。
AI学習はまさにこの非享受目的の典型です。AIに小説を読み込ませるのは、その小説を「楽しむ」ためではなく、文章のパターンを統計的に解析するためです。だから原則として、AI学習のための著作物の収集・複製は、著作権者の許諾なく行える、というのが「考え方」の出発点です。
ただし、この「原則」には重大な例外があります。次の章で、その例外を2系統に分けて詳しく見ていきます。例外を知らずに「学習は何でもOK」と誤解するのが一番危険です。

30条の4の例外の1つ目は「享受目的の併存」です。AIに学習させる目的の中に「作品を出力させたい」という享受の狙いが混ざっていると、原則が崩れます。
文化庁の考え方【概要】は、30条の4が適用されない第1の類型として、「主たる目的は非享受目的でも、これに加えて享受する目的が併存している場合」を挙げます。この場合、「非享受目的」の要件を満たさないため、原則の許諾不要が成り立たなくなります。
もっとも分かりやすいのが、意図的な「過学習(overfitting)」を狙った追加学習です。生成AIの基盤モデルに対して、特定の学習データである著作物の類似物(創作的表現が共通したもの)を生成させることを目的として追加学習(ファインチューニング)を行う——この目的のためのデータ収集は、享受目的が併存していると評価され、30条の4は適用されません。
たとえば、ある漫画家の作品だけを大量に読み込ませ、「その漫画家の絵柄そっくりの画像を吐き出すモデル」を作ろうとする場合がこれにあたりえます。「学習」の体裁をとっていても、狙いが「特定作品の再現」なら享受目的とみなされる、ということです。
「考え方」は、一部の検索拡張生成(RAG)等で用いるための入力用データ(著作物)の収集も、享受目的の併存にあたりうるとします。ここで対象になるのは、「既存の著作物の創作的表現の全部または一部を、生成AIを用いて出力させること」を目的としたRAG等です。
RAGとは、AIが回答を生成する際に外部のデータベースや文書を検索して参照する仕組みです。RAGそのものが一律にダメなわけではありません。あくまで既存著作物の表現をそのまま出力させる狙いのものが問題になる、という点に注意してください。
なお「考え方」は救済規定にも触れています。30条の4が適用されない場合でも、RAG等による回答生成に際して既存著作物を利用すること(およびその準備としての複製・公衆送信)については、著作権法第47条の5の要件を満たす限り、同条の適用により権利者の許諾なく行える場合があります。47条の5は、検索エンジンや情報解析サービスにおける「軽微利用」等を認める規定です。
ここが多くの人の関心事です。結論から言うと、著作権法は「創作的表現」を保護し、「アイデア」は保護しません。そして「作風」や「画風」は、多くの場合アイデアにとどまります。したがって、ある作家の作風が共通しただけでは、著作権侵害にはなりません。
ただし「考え方」は重要な留保をつけています。特定のクリエイターの少量の作品のみからなる作品群は、「作風(アイデア)」が共通しているにとどまらず、創作的表現まで共通する作品群になっている場合があります。意図的にこうした共通する創作的表現を生成AIで出力させる狙いで追加学習を行う場合、享受目的が併存し、30条の4は適用されないと考えられます。

30条の4の例外の2つ目は、条文末尾の「ただし書き」です。享受目的がなくても、著作権者の利益を不当に害するなら30条の4は使えません。
条文のただし書きは、「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」と定めています。文化庁の柔軟な権利制限規定に関する基本的な考え方や「考え方」によれば、ここでの判断は次の観点から総合考慮されます。
「考え方」が明確に挙げる典型例が、情報解析用に販売されているデータベースの著作物を、情報解析(AI学習)目的で複製する場合です。つまり、AI学習用に整備・販売されているデータベースがあるのに、それを有償で購入せずに無断で複製して学習に使う行為は、ただし書きに該当しえます。
理由はシンプルで、そのデータベースの販売市場と正面から衝突するからです。本来お金を払って買うべきものをタダで使えば、データベースを作って売っている著作権者の利益を不当に害します。
もう一つの重要例が、AI学習を防止する技術的な措置を回避してデータを収集する場合です。「考え方」は次のような筋道を示します。
ここでのポイントは、robots.txt等で「AIに学習させない」という意思表示と技術的措置を講じておくことが、権利者側の防御策として意味を持つ、という点です。逆に、AI開発側からすれば、こうした措置を回避するクローリングは法的リスクが高いことを意味します。
| ケース | 30条の4の適用 | 理由 |
|---|---|---|
| 一般的なAI学習のためのデータ収集 | 原則 適用される(許諾不要) | 非享受目的の情報解析にあたる |
| 特定作家の作品を再現する狙いの追加学習 | 適用されない | 享受目的が併存する |
| 創作的表現の出力を狙うRAG用データ収集 | 適用されない | 享受目的が併存する |
| 情報解析用販売データベースの無断複製 | 適用されない(ただし書き) | 販売市場と衝突する |
| 学習防止の技術的措置を回避した収集 | 適用されない(ただし書き) | 潜在的販路を阻害しうる |
このように、「学習なら何でも自由」ではないことが分かります。原則は許諾不要でも、上記の例外に当たる収集は違法になりうるため、AI開発・利用の双方で注意が必要です。

学習段階でとくに重い問題が、海賊版サイトからのデータ収集です。これは単なる例外を超えて、事業者が侵害の責任主体になりうる論点です。
「考え方」は、ウェブサイトが海賊版等の権利侵害複製物を掲載していることを知りながら、そのサイトから学習データを収集する行為について、「厳にこれを慎むべきもの」と強い表現で警告しています。
既存の判例には、物理的に侵害行為を行った者以外でも、規範的な行為主体として著作権侵害の責任を負う場合があるという考え方(規範的行為主体論)があります。「考え方」はこれをAIにあてはめ、次のように整理します。
AI開発事業者やAIサービス提供事業者が、あるウェブサイトが海賊版等の権利侵害複製物を掲載していることを知りながらそのサイトから学習データを収集した場合、これにより開発された生成AIで生じる著作権侵害について、当該事業者が規範的な行為主体として侵害の責任を問われる可能性が高まる、というものです。
「考え方」は、対策として権利者から事業者へ「どのサイトが海賊版を掲載しているか」の情報を提供し、事業者が海賊版サイトを認識して学習データ収集の対象から除外できるようにする、といった取り組みが望ましいとしています。AI開発側は、こうした情報をもとに学習元のクリーンさ(データの出所)を管理することが、リスク低減につながります。

ここからは段階が変わります。生成・利用段階では、学習段階とはまったく別の基準——通常の著作権侵害の判断——が適用されます。
AIで生成した画像等をSNSにアップして公表したり、複製物を販売したりする場合は、通常の著作権侵害と同じ基準で侵害の有無が判断されます。具体的には、次の2要件がそろうと侵害になりえます。
| 要件 | 意味 | かみくだくと |
|---|---|---|
| 類似性 | 生成物に既存著作物との創作的表現が共通していること | 見た目・表現がそっくり |
| 依拠性 | 既存の著作物をもとに創作したこと | 元ネタを参照して作った |
この「類似性」かつ「依拠性」がそろい、かつ権利制限規定の対象外であれば、既存著作物の著作権侵害になります。逆に、どちらか一方でも欠ければ侵害にはなりません。たとえば、たまたま似ているだけで元ネタを参照していなければ(依拠性なし)侵害ではなく、私的使用のための複製にとどまれば権利制限の対象になります。
AIならではの難しさが「依拠性」です。AI利用者本人は元ネタの存在を知らないことが多いからです。「考え方」は、次のように整理しています。
つまり、AIの場合は依拠性が比較的認められやすい傾向にあります。「自分は元ネタを知らなかった」という言い訳は、学習データに入っていた以上は通りにくい、ということです。
さらに細かいですが重要な点として、「AIで生成する行為」が適法でも、「生成物を利用する行為」まで直ちに適法になるわけではない、と「考え方」は注意を促します。たとえば個人的に画像を生成して鑑賞するだけ(私的使用のための複製)なら許諾不要でも、それをSNSにアップしたり販売したりする段階では、改めて適法性の判断が必要です。「作るのはOKでも、公開・販売はアウト」がありうる、ということです。

生成・利用段階で侵害が起きた場合、権利者にはどんな対抗手段があるのでしょうか。差止めや廃棄など、踏み込んだ請求が認められうる点を押さえます。
生成・利用にともなって著作権侵害が生じた場合、既存著作物の権利者は、「考え方」によれば次のような措置を取れると整理されています(具体的な範囲は個別事案に応じて裁判所が判断します)。
注目すべきは、学習用データセットからの除去や、生成AIへの技術的制限まで請求の対象になりうる点です。事業者にとっては、侵害が認定された場合の影響がモデルそのものに及ぶ可能性があることを意味します。
「考え方」は、AI利用者だけでなく、AI開発・提供事業者も侵害の責任主体になりうるとし、その可能性を高める要素・低める要素を整理しています。
| 事業者の責任を | 具体的な要素 |
|---|---|
| 高める要素 | 特定の生成AIで侵害物が高頻度で生成されること/類似物生成の蓋然性の高さを認識しながら抑止措置を取っていないこと |
| 低める要素 | 既存著作物の類似物を生成しないよう防止措置を取っていること |
逆に、生成AI自体は類似物を高頻度で生成するものではなく、悪意ある利用者の指示(プロンプト)によって類似物が生成された場合は、事業者が侵害主体と評価される可能性は低くなる、とされています。つまり、事業者は「類似物を出さない設計・防止措置」を取ることで責任リスクを下げられるわけです。

「AIで作ったものに著作権はあるの?」——これは学習・利用とは別の第3の論点です。結論は「作り方しだい」です。
著作権法上、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています(著作権法第2条第1項第1号)。この定義をAI生成物にあてはめると、次のように整理されます。
なお、著作権法上「著作者」になれるのは人(自然人または法人)のみで、法人格を持たないAI自体が著作者になることはありません。
人がAIを「道具」として使ったといえるかは、人の「創作意図」があるか、および人が「創作的寄与」と認められる行為を行ったかで判断されます。「考え方」は、創作的寄与の判断要素の例を次のように示しています。
| 要素 | 著作物性への影響 |
|---|---|
| 指示・入力の分量 | 「創作的表現を具体的に示す詳細な指示」は創作的寄与の評価を高める。ただし長大でもアイデアを示すにとどまる指示は影響しない |
| 生成の試行回数 | 回数が多いこと自体は影響しない。生成物を確認し指示を修正しつつ試行を繰り返す場合は著作物性が認められることもある |
| 複数生成物からの選択 | 単なる選択行為自体は影響しない。創作性のある行為の一要素としての選択は考慮されうる |
| 加筆・修正 | 人が創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分は、通常 著作物性が認められる |
ここでも注意したいのは、「AI生成物が著作物になるか」と「既存著作物の侵害になるか」は別問題だという点です。AI生成物が著作物として認められる場合でも、既存著作物との類似性・依拠性があれば、その生成・利用は侵害になりえます。

ここまでの内容を、実務で使える行動指針に落とし込みます。文化庁も令和6年7月31日に立場別のチェックリストを公表しています。
文化庁は「考え方」を実務で活用できるよう、令和6年(2024年)7月31日に「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を公式サイトで公表しました。AI開発・提供事業者、AI利用者、権利者の立場別に、著作権リスクを下げる取り組みが整理されています。本記事の内容をふまえ、立場別の要点をまとめます。

最後に、ネット上でよく見かける誤解を、一次情報にもとづいて正します。早合点が一番のリスクです。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| AI学習はすべて違法だ | 原則は30条の4で適法。ただし享受目的の併存・ただし書き該当・海賊版収集は例外 |
| AI学習は何でも自由だ | 上記の例外があり、無制限ではない |
| AIで作れば著作権侵害にならない | 類似性+依拠性があれば通常の侵害と同じく違法になりうる |
| AIで作ったものは必ず著作権がある | 自律生成は著作物にならない。創作意図と創作的寄与が必要 |
| 作風を真似ても絶対セーフ | 作風がアイデアならセーフ。創作的表現が共通すれば侵害になりうる |
| 利用者だけが責任を負う | 事業者も規範的行為主体として責任を負う場合がある |
生成AIと著作権について、検索でよく問われる疑問に1問1答で答えます。一次情報にもとづく回答です。
A. 原則として違法ではありません。著作権法30条の4により、AI学習は「情報解析(非享受目的の利用)」にあたり、著作権者の許諾なく行えるのが原則です。ただし、特定作家の作品を再現する狙いの追加学習(享受目的の併存)や、情報解析用データベースの無断複製・学習防止措置の回避(ただし書き該当)、海賊版と知りながらの収集は例外で、適法とはいえません。
A. 既存著作物との「類似性」と「依拠性」がなければ、原則として可能です。ただし、特定のキャラクターや作家の作品に似た画像は侵害リスクが高くなります。また「生成」が適法でも「商用利用・公開」は別途適法性の判断が必要です。利用前に、似た既存作品がないかを確認しましょう。
A. 作り方によります。人が指示せず「生成」ボタンを押しただけのAI自律生成物は著作物にならず、著作権は発生しません。一方、人が創作意図を持ち、詳細な指示・試行錯誤・加筆修正など「創作的寄与」をしていれば、著作物として認められ、AI利用者が著作者になります。
A. 注意が必要です。「作風・画風」が単なるアイデアにとどまるなら、それが共通しても著作権侵害ではありません。しかし、特定作家を狙い撃ちして、その作品群の創作的表現まで共通する画像を出力させた場合は、侵害になりうると整理されています。
A. AI開発・提供事業者が責任を問われる可能性が高まります。海賊版等の権利侵害複製物を掲載していると知りながら学習データを収集した場合、事業者が規範的行為主体として侵害の責任を負う可能性があると整理されています。文化庁はこうした収集を「厳に慎むべき」としています。
A. ありません。「考え方」は、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が現行著作権法の解釈について示した指針であり、法的拘束力はありません。最終的な判断は個別事案に応じて裁判所が行います。今後の判例・技術・諸外国の動向によって見直される可能性もあります。
A. 一定の意味があります。robots.txtへの記述やID・パスワード認証は「AI学習のための複製を防止する技術的措置」と位置づけられます。こうした措置等から「将来データベースが販売される予定がある」と推認できる場合、それを回避した収集は30条の4のただし書きに該当し、権利制限の対象外になりうると整理されています。
文化庁「AIと著作権に関する考え方について」は、AIと著作権の問題を学習段階と生成・利用段階に分けて整理した、実務上きわめて重要な一次情報です。学習段階では30条の4により原則として許諾なく学習できますが、享受目的の併存・ただし書き該当・海賊版収集という例外があります。生成・利用段階では類似性と依拠性で通常どおり侵害が判断され、AI生成物の著作物性は人の創作的寄与の有無で決まります。
・大原則:学習段階と生成・利用段階を分けて考える
・学習段階:30条の4で原則OK/享受目的の併存・ただし書き・海賊版は例外
・生成利用段階:類似性+依拠性で通常の侵害判断/作風はアイデアなら保護されない
・著作物性:自律生成はNG/人の創作的寄与があれば著作物になる
生成AIは強力な道具ですが、仕組みと法律の基礎を理解してこそ安全に使いこなせます。Web制作やAI活用の土台を体系的に学べば、どこまでがセーフでどこからが危険かを自分で判断できるようになります。WithCodeで基礎から手を動かして学び、AIを安心して武器にしましょう。
本記事は、以下の一次情報(文化庁の公式文書・公式サイト、e-Gov法令検索の条文)を実際に参照して執筆しました。詳細は必ず原典をご確認ください。

副業・フリーランスが主流になっている今こそ、自らのスキルで稼げる人材を目指してみませんか?
未経験でも心配することはありません。初級コースを受講される方の大多数はプログラミング未経験です。まずは無料カウンセリングで、悩みや不安をお聞かせください!
WithCodeでWeb制作を習得後、フリーランスエンジニアとして活動。HTML/CSS・JavaScript・WordPress案件を中心に年間20件以上の制作実績を持つ。「難しい技術をわかりやすく」をモットーに、初心者〜中級者向けの技術記事を執筆。副業・フリーランス独立を目指す方に向けた情報発信に注力している。
公式サイト より
今すぐ
無料カウンセリング
を予約!