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Web制作に取り組み始めたばかりの方にとって、HTMLの「lang属性」をどのように使えば良いのか、迷うことがあるかもしれません。
しかし、正しい言語設定はWebサイトの品質やアクセス数、ユーザーの使いやすさ、そしてSEOに大きな影響を与えます。
本記事では、HTMLでの言語指定の重要性や、多言語対応のコツを初心者でもわかりやすく解説し、実際のコード例も交えながら詳しく説明します。
そもそもHTMLの基本が分からないという方にはこちらの記事がオススメです。
HTMLで特定の言語を指定する際に使用する属性が「lang属性」です。これは、ページ全体または特定の要素に対して、そのコンテンツがどの言語で書かれているかを明示するためのものです。lang属性を正しく設定することで、検索エンジンやスクリーンリーダー、翻訳ツールがそのページを正しく認識し、適切な処理が行われるようになります。
lang属性の基本的な指定方法は、HTMLタグの開頭部に「lang」属性を追加し、その値として言語コードを設定するというものです。例えば、日本語のページであれば、次のように記述します。
<html lang="ja">
英語のページの場合は、次のように記述します。
<html lang="en">
このように、ページ全体の言語を指定することにより、ユーザーの使いやすさ向上につながります。また、特定の要素だけを異なる言語で表示する必要がある場合は、その要素に対して個別にlang属性を設定することも可能です。
<p lang="fr">Bonjour tout le monde</p>
lang属性を正しく使用することで、検索エンジンにおいて言語指定が明確になるため、ユーザーがその言語で検索した際に適切な結果が表示されやすくなります。これは、検索エンジンがページの内容をより正確に理解できるからです。例えば、日本語のページにlang=”ja”を設定することで、検索エンジンはそのページが日本語コンテンツであることを認識し、日本語ユーザーに優先して表示します。
HTMLのlang属性では、指定された言語コードによってページや特定の要素の言語を定義することができます。言語コードは通常、ISO 639-1という国際標準に基づいており、2文字のアルファベットで表され、日本語の場合は”ja”、英語は”en”と指定します。以下に、よく使われる主な言語コードの一覧を紹介します。
これらのコードをHTMLのlang属性に使用することで、ページ全体または特定の要素に対して正確な言語設定を行うことが可能です。
他の言語コードについて知りたい方は以下をご覧ください。
HTMLで日本語以外の言語を指定する場合も、基本的な手順は日本語の指定と同じです。lang属性を使用して、適切な言語コードを指定します。例えば、英語のコンテンツを表示する場合は、次のように記述します。
<p lang="en">Hello, world!</p>
ただし、他言語を指定する際にはいくつかの注意点があります。まず、正確な言語コードを使用することが重要です。特に、同じ言語でも地域や方言によって異なるコードを使用する場合があるため、対象地域に適したコードを選ぶことが推奨されます。例えば、イギリス英語の場合はen-GB、アメリカ英語の場合はen-USを使用します。
また、lang属性を使いすぎるとコードが複雑になりやすいため、基本的にはページ全体で統一した言語を指定し、必要な部分にのみ異なる言語を適用することが効率的です。このように、他言語の指定方法とその適用範囲を理解することで、Webページの多言語対応をより効果的に進めることができます。
多言語対応サイトでは、ユーザーの言語環境に応じてページの言語を自動的に切り替える機能が重要です。これを実現するために、lang属性を正しく設定するだけでなく、適切な技術を活用する必要があります。
一般的に、ユーザーが言語を切り替える手段として、ページ内に言語選択メニューを設置するのが一般的です。選択された言語に基づいて、対応するHTMLファイルやページを表示できます。これにはサーバーサイドの情報を使って、ユーザーの選択を記録し、次回以降の訪問時に自動でその言語が適用されるようにする方法が考えられます。
もう一つの方法として、ユーザーのブラウザやOSの言語設定に基づいて、自動的に適切な言語版のページを表示することも可能です。これには、サーバーがヘッダー情報にある「Accept-Language」情報を確認し、対応する言語のコンテンツを配信する仕組みが役立ちます。この方法を以下に詳しく解説します。
ユーザーのブラウザは、Webサイトを訪問するとHTTPリクエストに「Accept-Language」ヘッダーをサーバーに送信します。これは、ユーザーがブラウザやOSで設定した優先言語を示します。
例:
Accept-Language: en-US,en;q=0.9,ja;q=0.8,fr;q=0.7
この例では、ユーザーが最も希望する言語は英語(アメリカ英語)、次に日本語、そしてフランス語になります。
サーバーサイドで「Accept-Language」を確認する方法もあります。
サーバー側でこの情報を取得し、ユーザーの優先する言語に基づいて適切なコンテンツを選択します。PHPやNode.js、Pythonなどのサーバーサイドプログラムで簡単に処理できます。
例えば、PHPでは以下のように「Accept-Language」ヘッダーを取得し、条件に応じてページを表示できます:
$lang = substr($_SERVER['HTTP_ACCEPT_LANGUAGE'], 0, 2); // 最初の2文字(言語コード)を取得
switch ($lang){
case "ja":
// 日本語ページへリダイレクト
header("Location: /ja/index.php");
break;
case "en":
// 英語ページへリダイレクト
header("Location: /en/index.php");
break;
default:
// デフォルトの言語(例:英語)を表示
header("Location: /en/index.php");
break;
}
それぞれの言語に対応したHTMLファイルやテンプレートを準備し、ユーザーのリクエストに基づいてそれを提供します。たとえば、/ja/index.php は日本語版、/en/index.php は英語版ページです。
これで、ユーザーがブラウザやOSで設定した言語に応じて、自動的に適切なページを表示できます。
このような技術を組み合わせることで、多言語対応サイトはよりグローバルなユーザーに向けた便利で使いやすいサイトの提供が可能です。
hreflang属性は、同じコンテンツが異なる言語や地域向けに複数のバージョンが存在する場合に使用されます。例えば、英語版と日本語版のページがある場合、それぞれのページにhreflang属性を設定することで、Googleなどの検索エンジンにどのページがどの言語や地域向けであるかを明確に伝えることが可能です。この結果、ユーザーがその言語や地域に適したページを表示されやすくなります。
以下は、hreflang属性の使用例です。
<link rel="alternate" href="https://example.com/en/" hreflang="en">
<link rel="alternate" href="https://example.com/ja/" hreflang="ja">
hreflang属性は異なる言語バージョンのページ間での適切な言語や地域の設定をサポートします。
lang属性は、HTMLドキュメント全体や特定の要素に対してそのコンテンツがどの言語で書かれているかを示すために使用され、ブラウザやスクリーンリーダーが正しい言語でコンテンツを表示したり、音声読み上げを行ったりします。
lang属性とhreflang属性はどちらもWebサイトの多言語対応において重要な役割を果たしますが、使い方や目的には違いがあります。ご自身のサイトに合わせて最適な属性を選びましょう。
HTMLのlang属性は、Webページやその要素に対して使用される言語を明示的に指定する重要なツールです。正しく使用することで、検索エンジンや支援技術、さらには自動翻訳機能がコンテンツを適切に認識し、ユーザーに最適な体験を提供することが可能になります。
また、hreflang属性を併用することで、多言語対応サイトでは異なる言語や地域向けに最適なページを検索エンジンに伝えることができ、SEO効果を高めることが可能です。多言語対応の実装を適切に行うことで、グローバルなユーザーに対しても高いユーザー体験を提供し、Webサイトのアクセス数向上にもつながります。
これらの知識をしっかりと活用し、効果的なHTML言語指定を行うことで、より幅広いユーザー層にリーチし、質の高いWebサイトを構築していきましょう。
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